『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』パンフレットレビュー。『カメ止め』の上田慎一郎監督作品。

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税務署に勤める熊沢二郎はある事件をきっかけに天才詐欺師・氷室マコトと手を組み、因縁のある脱税王・橘から脱税した税金を奪うことを決意。タッグを組んだ2人はくせ者揃いの詐欺師集団《アングリースクワッド》を結成する…

『JIN -仁-』シリーズや『臨場』シリーズの内野聖陽を主演に迎え、社会現象を巻き起こした大ヒット映画『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が韓国ドラマ『元カレは天才詐欺師 〜38師機動隊〜』をリメイクしたクライムエンターテインメント『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』のパンフレットを紹介します!

まずはパンフレット制作に尽力された方々へのリスペクトを込めて、パンフレットの基本情報をどうぞ。

パンフレット基本情報
  • サイズ:257mm × 182mm(B5横型)
  • ページ数:32ページ
  • 発行承認:ナカチカ株式会社
  • 編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
  • 編集:神山和範(松竹)
  • テキスト協力:SYO、坂田正樹
  • デザイン:飛田健吾(INFINI I GRAPHICS)
  • 印刷:共同製本株式会社
  • 発行日:2024年11月22日
  • 定価:900円(税込)
パンフレット掲載内容
  • INTRODUCTION
  • STORY
  • 人物相関図
  • キャストインタビュー/内野聖陽、岡田将生、川栄李奈
  • キャストコメント/森川葵、後藤剛範、上川周作、鈴木聖奈、真矢ミキ
  • キャストインタビュー/小澤征悦
  • インタビュー/上田慎一郎監督
  • インタビュー/伊藤主税(プロデューサー)
  • キャラクター紹介
  • アングリースクワッド EPISODE ZERO
  • トライアングルトーク/上田慎一郎(監督)× 峯田和伸(主題歌 ヴォーカル) × KERENMI(主題歌 作曲・作詞)
  • テーマソング/名前を忘れたままのあの日の鼓動 feat.峯田和伸
  • スタッフプロフィール
レンツ
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では、『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』のパンフレットを詳しく見ていきましょう!

デザインレビュー

表紙デザイン

B5サイズ(257mm×182mm)横型のパンフレット。

赤をバックに「ANGRY SQUAD」の英字と「公務員と7人の詐欺師」たちの切り抜き写真が配置された、とてもシンプルでカッコいい表紙デザイン。(アングリースクワッドではない方が若干1名紛れ込んでますが…。)

モノクロ画像に1箇所だけ赤く着色する『シン・シティ』のような加工がこれまたかっこいい。(ちなみに中面のキャストインタビューのページにもこのような加工がされた別写真が掲載されてます。もちろん、カッコいいです。)

中面デザイン

赤を基調にしたスタイリッシュなデザイン。

文字を大胆に配置したり、キャラクターに合ったアイコンやキャラクターの切り抜き画像をさり気なく入れる細やかさ、独特な書体の使用など、デザイン的にかなり凝ってます。

文字の大小や文字と写真の大きさにメリハリがあり、紙面全体に動きが出ているので最後まで飽きずに読むことができます。文字量や行間も的確なので、とても読みやすい点もグッド。

コンテンツチェック

レンツ
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では、パンフレットに掲載されている内容をピックアップしてレビューしていきますね。

「キャストインタビュー」「キャストコメント」「上田慎一郎監督インタビュー」という王道記事に加えて「キャラクター紹介」「上田慎一郎監督 × 峯田和伸 × KERENMIの鼎談」などオリジナルな記事も掲載。充実した内容になってますよ。

キャストインタビュー&コメント

内野聖陽さん、岡田将生さん、川栄李奈さん、小澤征悦さん、森川葵さん、後藤剛範さん、上川周作さん、鈴木聖奈さん、真矢ミキさんら総勢9名のインタビュー&コメントが掲載されています。豪華。ラインナップを見るだけでエンタメ感ありますよね。

本編でかなり重要な役だった皆川猿時さん、神野美鈴さん、吹越満さんのコメントがなかったのはちょっと残念。3名ともキーパーソンでしたからね(特に神野美鈴さんは)。少しでもコメントを残して欲しかったな(特に神野美鈴さんは)。

インタビューでは「演じた役について」や「撮影のエピソード」などが語られているんですが、とても風通しの良い現場だったようで、上田慎一郎監督を含め皆で作り上げたような、チームワークの良さを感じました。特に内野聖陽さんの「熊沢というキャラクターに関するやりとり」のエピソードはなかなか面白かったです。

キャストの皆さんは上田慎一郎監督をどう見ているのか、というところも『カメ止め』好きの僕としては気になってましたが、好印象のようでした。

上田監督の意外な一面も知ることができ、いい意味で少し印象が変わりました。やっぱりね、ちゃんとした映画監督なんですよね(当たり前)。

キャストの皆さんが気さくに語られているような、良い雰囲気が伝わってくるインタビュー&コメントで、とても楽しく読めますよ。

上田慎一郎監督インタビュー

「本作の企画の始まり」「キャスティングについて」「撮影秘話」、そして大掛かりな撮影に初めて挑んだ上田監督ならではの「スタッフとの仕事について」などが語られています。

軽やかな本作のイメージとは少し違い、山あり谷ありの撮影だったようですよ。

内野聖陽さんがインタビューでも触れられてましたが、上田監督も熊沢というキャラクターについてのやりとりに言及されています。監督にとっても大きな、忘れられないエピソードだったんでしょうね。

撮影では俳優さんからいろんなアイデアや意見が出てきて、それがすべて正しかったらしく、ありがたかったけど悔しい気持ちもあったと上田監督は悔しさを吐露したところも印象的でした。

映画監督として素晴らしい経験をしたんじゃないでしょうかね。

キャラクター紹介

アングリースクワッドたちのキャラクター紹介ページ。これが面白い。

キャラクターの裏設定や、キャラクターを演じた俳優さんのちょっとしたエピソードが掲載されてます。

最近だと『夜明けのすべて』や『ぼくのお日さま』のパンフレットにキャラクターの裏設定が掲載されていて、とても面白かったんですね。キャラクターの強度が増すと言いますか。

癖の強いキャラクターが満載の『アンスク』なので、裏設定は人物に深みを与えるという意味でも案外大切なページのような気がしますよ。

パンフレット的にもいいアクセントになったと思うので、この企画ページを盛り込んだのは大正解ではないでしょうか。

ちなみに大胆な文字の配置 × キャラクターの切り抜き画像 × キャラクター名とキャッチコピーの入れ方の組み合わせがページのヴィジュアルとしてかっこいいです。グッドデザイン。

鼎談/上田慎一郎 × 峯田和伸× KERENMI

「オファーの経緯」「どのようにして曲が作り上げられたのか」「レコーディングについて」などのエピソードや裏話が語られています。

特にKERENMIさんの話が面白いです。作曲家ならではのことだけではなく、働く人々誰しもに響くような仕事話が語られていて、とてもプロフェッショナリズムを感じました。常に100%、これ大事。

このお三方の鼎談はYouTubeでも配信されているようなので、ぜひ。

総評

赤を基調にしたスタイリッシュなデザイン、インタビューを中心としたエンタメ感満載の内容。

本作の軽やかな雰囲気そのままの読んで楽しい見て楽しいパンフレットとなってますよ。

レンツ
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これが900円(税込)で購入できるとは!買って損なし!

本作『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』を気に入ったそこのあなた、パンフレットのご購入をオススメしますよ。

レンツ

映画大好き(おじさん)デザイナー。1男1女の4人家族の細大黒柱。オールタイムベスト映画はトレインスポッティング(1996)、ブレードランナー(1982)、ファーゴ(1996)。甘いラブストーリーはちょっと苦手。

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