『ANORA アノーラ』パンフレットレビュー。ショーン・ベイカー監督が描くロマンティックコメディ。

洋画

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『スクリーム』のマイキー・マディソン主演、第97回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞の5部門を受賞した映画『ANORA アノーラ』のパンフレットを紹介します。

この映画は、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』『レッド・ロケット』のショーン・ベイカーが監督を務め、若きストリップダンサーが大富豪の御曹司に見初められ幸せを掴んだかに思えたがしかし!困難が待ち受けていたという、シンデレラストーリーのその先を描いたロマンティックコメディです。

レンツ
レンツ

では、『ANORA アノーラ』のパンフレットを詳しく見ていきましょう!

スポンサーリンク

デザインレビュー

182mm × 182mm(36ページ)の正方形のパンフレット。

幸せの絶頂にいるようなアニーとイヴァンの素敵なツーショットがキラキラしたホログラム紙に印刷されています。周りのピンクも効いていて、とても華やかな表紙デザイン。

シンデレラストーリーのその後が描かれる本作。幸せ絶頂の二人をまず表紙に登場させたのはグッドアイデア。はじまりはここからですからね。本作の内容にぴったりです。

中面はピンクのネオンで統一された華やかでちょっぴりセクシーなデザイン。写真が全面に敷かれているページが多く、全体的にとても迫力があり濃ゆいです。

コンテンツチェック

レンツ
レンツ

では、パンフレットに掲載されている内容をピックアップしてレビューしていきますね。

マイキー・マディソン(アニー役)インタビュー、ショーン・ベイカー監督インタビュー、プロダクションノート、レビューが3本にエッセイが2本など、内容充実。

ショーン・ベイカー監督と主要キャストの面々がお互いにコメントする「chat on ANORA」というちょっとした遊び心のあるページや、劇中で使用された曲のリストが2ページにもわたって掲載されているというボリューム感もグッドです。

主人公アノーラを演じたマイキー・マディソンのインタビュー。

注目されている今の気分や役作りについて、監督に薦められた作品(なんと日本の映画も含まれていた!)などに答えてます。マイキー・マディソンの身体を張った演技っぷりは素晴らしかったので、役作りに関して知ることができたのはよかったです。

インタビューは1ページなので、ページ数は多くないんですが、本作におけるマイキー・マディソンがギュッと詰まった濃厚な内容になってますよ。

最後にインティマシー・コーディネーターに関する言及があるんですが、これが少し驚き。現在の映画撮影の流れに逆行していると思うので、これは議論する余地があるのではないかと思ったりしました。気になる方は読んでみて!

ショーン・ベイカー監督のインタビュー。

質問がかなり具体的で、マイキー・マディソンのインタビュー同様に内容は濃厚。

本作における女性のまなざし・男性のまなざしについて、人生をあきらめないキャラクターについて、セックスワーカーへの思いについてなどに答えてます。

監督の思いや考えがわかる内容で、インタビューを読むと本作への解像度が上がること間違いなし!

レビューは映画ライターの村山章さん、コラムニストの山崎まどかさん、音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんの3名が寄稿。

映画パンフレットではお馴染みのお三方なので、さすがの安定感です。

「土地とのつながり」という角度からショーン・ベイカー監督作品を解説する村山さんのレビューは、土地勘のない僕にとっては(ニューヨークにもアメリカにも行ったことないし、そもそも海外に行ったことがない)とても興味深く、そして本作の背景はノンフィクションに近いものだと提示してくれました。面白かったです。

アニーは最後に何を手にしたのかという山崎まどかさんのレビューも、ショーン・ベイカー監督の選曲術を解説した高橋芳朗さんのレビューもよかったですよ。

エッセイは文筆家・映画監督・元セクシー女優の戸田真琴さんと脚本家の吉田恵里香さんの2名が寄稿。

戸田さんはセックスワーカーやアニーの気持ちをストレートな物言いで書かれています。ご本人は元セクシー女優ということなので、何か思うところがあるのかもしれませんね。

ストレートな物言いではあるものの言葉の端々に優しさが感じられ、とても魅力的なエッセイになってます。

吉田さんのエッセイも魅力的。サクセスストーリーとシンデレラストーリーのニュアンスの違いについて書かれている冒頭の文章(納得感がある!)でグッと引き込まれました。

シンデレラストーリーって魅力的な言葉ではあるけど確かに蔑みが入っているような気がするよな、と思ったり。

本作をかなりシビアに鋭く捉えていて、本作の新たな見方を教えてもらったような、新たな気付きになりました。

戸田さんと吉田さんのエッセイはかなり素敵で面白いのでオススメですよ。

プロダクションノートは「製作のはじまり」「キャスティング」「映画のルック」「撮影」と、4つの章に分け6ページにわたり掲載されてます。文字もぎっしりでボリュームがありますよ。

マイキー・マディソンがなぜ主人公アニー役に抜擢されたのか個人的に気になっていたので、キャスティングした経緯が掲載されていたのはありがたかったです。

そしてその後の彼女の頑張り(ダンスやロシア語やアニーの内面への探求)にはもうね、マイキー・マディソンに拍手を送りたいと思いました。

あと、イヴァン役を射止めたマーク・エイデルシュテインのオーディションの裏話も面白かったです。どうやら胆力のある男のようです。

映画のルックに関してはかなり詳細に書かれています。フィルムの処理(増感現像とか)やレンズ(アナモルフィック・プライム・レンズとか)のマニアックなことが書かれていたり(解説されているので大丈夫!)、何にインスピレーションを受けたのか、色彩やインテリアについてなど、作品を観ただけではわからないこだわりを知ることができます。

制作の裏側をかなり知ることができるので、プロダクションノートを読んでからもう一度『ANORA アノーラ』観ると、本作の魅力をさらに感じることができるのではないでしょうか。

総評

シンデレラストーリーを想起させる幸せ絶頂のアニーとイヴァンのツーショットがホログラム紙に印刷された煌びやかな表紙、ピンクのネオンで統一された華やかでちょっぴりセクシーな中面デザイン。インタビュー、コラム、エッセイなど読みごたえのある内容。

非常に濃厚でギュッと詰まったイメージの満足度の高いパンフレットです。

レンツ
レンツ

ちなみにこのパンフレットは990円(税込)で購入できますよ。

本作『ANORA アノーラ』を気に入った方には購入をオススメします。買って損はないですよ!

では最後に、パンフレット制作に尽力された方々へのリスペクトを込めて、パンフレットの基本情報と掲載内容をどうぞ。

パンフレット基本情報
  • サイズ:182mm × 182mm(正方形)
  • ページ数:36ページ
  • 発行者:大田圭二
  • 発行所:東宝株式会社ライツ事業部
  • 編集:株式会社東宝ステラ
  • デザイン:石井勇一(OTAU)
  • 印刷:共同製本株式会社
  • 発行日:2025年2月28日
  • 定価:990円(税込)
パンフレット掲載内容
  • Introduction
  • Story
  • キャストプロフィール
  • インタビュー/マイキー・マディソン(アニー役)
  • インタビュー/ショーン・ベイカー(監督・脚本・製作・編集)
  • レビュー/村山章(映画ライター)
  • Chat on Anora(キャストコメント)
  • プロダクションノート
  • スタッフプロフィール
  • レビュー/山崎まどか(コラムニスト)
  • エッセイ/戸田真琴(文筆家・映画監督・元セクシー女優)
  • エッセイ/吉田恵里香(脚本家)
  • レビュー/高橋芳朗(音楽ジャーナリスト)
  • Music

おしまい。

レンツ

映画大好き(おじさん)デザイナー。1男1女の4人家族の細大黒柱。オールタイムベスト映画はトレインスポッティング(1996)、ブレードランナー(1982)、ファーゴ(1996)。甘いラブストーリーはちょっと苦手。

レンツをフォローする
洋画
レンツをフォローする
モエパン
タイトルとURLをコピーしました