映画パンフレットレビュー。野田サトル原作!山崎賢人主演!『ゴールデンカムイ』

邦画

明治末期の北海道を舞台にアイヌ埋蔵金争奪戦の行方を描いた、大人気漫画(野田サトル原作)の実写映画化作品『ゴールデンカムイ』のパンフレットを紹介します!

レンツ
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映画『ゴールデンカムイ』がマルっとわかる内容充実の素敵なパンフレット。萌えます!

ということで、まずはパンフレット制作に尽力された方々へのリスペクトを込めて、パンフレットの基本情報をどうぞ。

パンフレット基本情報
  • サイズ:210mm × 297mm(A4)
  • ページ数:46ページ
  • 発行者:大田圭二
  • 発行所:東宝株式会社ライツ事業部
  • 編集:株式会社東宝ステラ
  • オフィシャルライター:遠藤薫
  • デザイン:須藤知華(PLAINS inc.)
  • 印刷:株式会社久栄社
  • 定価:990円(税込)
パンフレット掲載内容
  • INTRODUCTION & STORY
  • キャラクター紹介
  • キャラクター相関図
  • 山崎賢人インタビュー
  • キャストコメント
  • キャストプロフィール
  • 久保茂昭監督インタビュー
  • インタビュー/相馬大輔(撮影)
  • GOLDEN KAMUY DESIGN
  • インタビュー/下村勇二(アクション監督)
  • コメント/野田サトル(原作者)
  • コメント/ACIDMAN(主題歌アーティスト)
  • プロダクションノート
  • スタッフプロフィール
  • 映画に出てくる料理の紹介

デザインは比較的シンプルですが、内容が充実したとても素敵なパンフレットですよ!

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では、『ゴールデンカムイ』のパンフレットを詳しく見ていきましょう!

デザインレビュー

表紙デザイン

ザラっとした質感の黒い紙に「GOLDEN KAMUY」の金色の文字。この金色の「GOLDEN KAMUY」は砂金のイメージなんでしょうね。風に吹かれて散っているような処理が施されています。アイデアがいいですよね。素敵なデザイン。

ちなみに裏表紙にまで砂金が飛んでます。芸が細かい!

これだけの豪華キャストで、さらに舞台は北海道。映える写真がたくさんあるはずなのに、写真を使わずにデザインされた表紙案を採用したパンフレット制作関係者の胆力に拍手。

だって、せっかくだから北海道の壮大な雪景色をバックにした杉元(山崎賢人)やアシリパさん(山田杏奈)を表紙に載せたいじゃない。だって、その方が売り上げが良さそうじゃない(いやらしい発想)。

中面デザイン

まず、パンフレットのページを開くと(正確には次のページだけど)超カッコいい杉元佐一(山崎賢人)の写真が!さらにページを開くとアシリパさん(山田杏奈)と白石由竹(矢本悠馬)の写真が!と、雪の中(合成)のキャラクターたちの凛々しい姿が9ページに渡り続きます。

ザラっとした質感の写真でとても臨場感があって、『ゴールデンカムイ』の世界に一気に引き込まれます。パンフレット冒頭にキャラクターの写真をドンと大胆に持ってくるページ構成はお見事。

白、黒、ゴールドをベースにした中面のデザインは、作品の賑やかさとは相反して比較的おとなしめでシンプル。ですが、扉ページ(表紙をめくった1ページ目)は他のページと紙質を変えていたり、写真が雪の中に溶け込んで見えるような工夫(画像処理)がされていたり、写真のみで構成されたページがあったりと、要所要所で凝ったデザインがされています。

全体的な文字量と写真の数や大きさのバランスが絶妙で、読んでいてとても気持ちのいいデザインになってます。

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完成度が高いです。これぞプロのデザイン!

コンテンツチェック

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では、パンフレットに掲載されている内容をピックアップしてレビューしていきますね。

インタビュー/山崎賢人

キャストインタビューは主演の山崎賢人さんのみ。主役級のアシリパさんを演じた山田杏奈さんのインタビューが無いのはとても残念(コメントは掲載)。

インタビューで山崎賢人さんは原作の魅力、杉元を演じる上で意識したこと、アクションのこと、完成作を観ての感想などを語っています。

僕みたいな人間がどの目線で言ってるんだと怒られるかもしれないけど、作品のことや役のことをしっかり考えて演じているんだなぁなんて、インタビューを読んですごく感心しちゃまいました。

「馬ゾリに引きずられるシーン」「ニ◯三高地戦」「白石と一緒に極寒の川に落下するシーン」という、本作の印象的なシーンについても語っていますが、すげぇや、山崎賢人さん。根性入ってます。川落ち&馬ゾリは吹き替え無しで、ご自身が落ちて引きずられてるんですよ。ちなみに極寒の川での演技はガチっぽいです(笑)。すげぇや、山崎賢人さん。

『ゴールデンカムイ』の実写映画化が発表されて、その後山崎賢人さんが杉元を演じることが発表されたとき「いやぁ、合わないだろ」って率直に思ったし、ぶっちゃけ観るまでは不安だったんですけど、もうね、謝ります。土下座して謝ります。ごめんなさい。しっかりと準備(役づくり)をして過酷な撮影に挑んでいたわけで。あなたは間違いなく杉元佐一です。不死身の杉元です。

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ごめんよ、山崎賢人さん…。あんた、最高だったよ。

キャストコメント

キャストコメントは山田杏奈さん、眞栄田郷敦さん、矢本悠馬さん、工藤阿須加さん、大谷亮平さん、柳俊太郎さん、勝矢さん、玉木宏さん、舘ひろしさんの総勢9名。キャストのコメントがひとりふたりしか掲載されないパンフレットがある中、この人数のコメント(それも錚々たるメンバー!)が掲載されるのは嬉しいですね。

個人的には山田杏奈さんのコメントがよかったなぁ。山崎賢人さんの次にプレッシャーがかかっていたはずなのに、うん、プレッシャーのプも感じてないような(感じていたとは思いますがコメントからは読み取れない)なんとも可愛らしいコメントでした。「(笑)」が計3箇所ありました。楽しんでアシリパさんを演じられていたんだなぁと、なんだかほっこりしちゃいましたよ。

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アシリパさん役は山田杏奈さんで大正解だったと思う!

他に印象的なところでは、原作者の野田サトルさんと撮影現場で会ったときの眞栄田郷敦さんのかわいらしいエピソードや、矢本悠馬さんの極寒の川落ちシーン(このシーンは笑った!)と玉木宏さんの「ろうそく、ボリボリ」のシーン(このシーンは気持ち悪かった!見事!)の裏話がおもしろかったです。

キャストそれぞれの本作に対する思いや裏話が読めるので、とても楽しいコメントページになってますよ。

インタビュー/久保茂昭監督、相馬大輔(撮影)、下村勇二(アクション監督)

山崎賢人さん以外でインタビューが掲載されているのは久保茂昭監督と撮影の相馬大輔さんとアクション監督の下村勇二さんの3人。

監督のインタビューが掲載されるのは当然のところですが、相馬さんと下村さんの単独インタビューが掲載されているのは嬉しいです。過酷な冬の北海道での撮影や激しいバトルアクションの裏話、聞きたいじゃないですか。

久保茂昭監督は、監督のオファーを受けたときの想い、山崎賢人さんの印象、山崎賢人さんと山田杏奈さんのバディっぷり、過酷を極めた撮影のこと、レタラやヒグマなどのCGやVFXのことなど、作品のことを幅広くを語っています。予定の日数より大幅にオーバーしたニ◯三高地戦の撮影のことや山崎賢人さんへの激賞っぷりが印象的でした。

撮影の相馬大輔さんは過酷な撮影のことや過酷な撮影のこと、そして過酷な撮影のことを語っています。というのは冗談で(冗談でもないけど)、撮影準備のこと、原作漫画を参考にしたところ、ニ◯三高地戦の撮影、ご自身のキラーカットなどについて語っています。

体力的にキツい撮影だったことは想像に難くないんですけど、相馬さんのインタビューを読むとなんだか楽しそうに思えてくるのが不思議。馬ゾリのシーンだって大変そうなのにやっぱり楽しそう。いい撮影現場だったんでしょうね。ちなみに相馬さんのキラーカットはあのシーンでした。

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杉元とアシリパさんのあのシーンよね。わかる。

アクション監督の下村勇二さんは今回のアクションの方向性、ニ◯三高地戦でのアクション、雪の中のアクションで苦労したこと、馬ゾリのアクションの裏話などを語ってます。

僕たち観客は迫力のあるアクションをシンプルに楽しんでますが、この素晴らしいアクションを完成させるまでにどれだけの努力を積み重ねているのか、試行錯誤が繰り返されてるのかということがわかるインタビューで、もうね、頭が下がります。そしてありがとうと言いたい。カッコいいアクションをありがとう!

相馬さんの言葉を借りれば「ハイカロリー」な撮影だったことがビンビンに伝わってくる3人のインタビューでした。これぞ撮影の裏話!という感じでとてもおもしろかったですよ。

GOLDEN KAMUY DESIGN

「GOLDEN KAMUY DESIGN」というタイトルで括られた特集ページが実にイイ!

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このパンフレットのイチ押しページ!

「GOLDEN KAMUY DESIGN」=ゴールデンカムイデザインというタイトルがアバウト過ぎてわかりにくいと思うんですけど、要は「原作漫画の世界観に近づけるためにスタッフさんたちがめっちゃ頑張ったこと」が7ページにわたって書かれています。

杉元の顔の傷や牛山の額のコブなどの特殊メイクに関することや、アシリパさんの衣装や小道具などの制作過程、明治末期の小樽の再現やアイヌのコタン(集落)作りのこと、ヒグマやレタラのCGやVFX制作のことなど、『ゴールデンカムイ』を成立させるためにデザインされたことやものに関することがビシッと掲載されてます。『ゴールデンカムイ』製作陣のこだわりや本気度がうかがえる読み応えのある特集ページになってます。

この特集ページでコメントを寄せているスタッフは宮本まさ江さん(衣装デザイン)、小坂一順さん(VFXスーパーバイザー)、磯見俊裕さん(美術)、酒井啓介さん(ヘアメイクデザイン)、百武朋さん(特殊造形)、露木恵美子さん(美術)、そしてアイヌ語・文化監修の中川裕さんと秋辺デボさんのおふたり。合計8名のコメントが掲載されてます。(ちなみに秋辺デボさんはアシリパさんの大叔父役で出演されてます。)

キャストのインタビューやコメントはパンフレットの華だとは思いますが、作品を陰で支えているスタッフさんのコメントも実にいい。負けじと輝いてます。

採寸するたびに男性陣の体が(鍛えて)大きくなっていくので「これ以上大きくならないで」という気持ちでいたという衣装の宮本まさ江さんのエピソードがおもしろくて印象的でした。サイズが合わなくなったら作り直しですもんね。切実!

他にもいろんなエピソードや裏話が掲載されてますが、それはパンフレットを買って読んでね。

本作『ゴールデンカムイ』の裏側がすべてわかる!とは言い切れないけど(これだけの大作だからまだまだネタはあると思う)、スタッフさんたちの頑張りやこだわりが伝わってくる素敵なページになってます。本作を観た方にはぜひとも読んでいただいて、キャストだけじゃなくスタッフの皆さんのこともリスペクトして欲しいなと心から思いましたよ。

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スタッフさんたちの頑張りがあったからこそのリアリティ、そしてクオリティだと思います。スタッフのみなさん、ありがとう!

おまけ?の料理紹介

映画に出てくる料理が紹介されるという遊び心のあるページ。北海道という壮大な舞台で繰り広げられる冒険や激しいバトルアクション、アイヌ文化の描写は『ゴールデンカムイ』の見どころですが、「狩猟グルメ」も間違いなく見どころ。そこを押さえてるあたりは、わかってますね。

ちなみに紹介されるのは次の3品。

「チタタプ(我々が刻むもの)&チタタプとプクサキナのオハウ」
「カワウソのオハウ」
「桜鍋」

※オハウ=汁物

料理の写真だけじゃなくレシピまで掲載されています。リス、カワウソ、馬の肉にプクサ、プクサキナといった聞いたことのないような山草が食材として使われているようです。手に入りにくそうな食材なので、実際に作るのは難しそうですが、アイヌ料理を食べてみたい方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか(リスやカワウソの肉って手に入るのかしら?そもそも食べていいのかな?)。

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チタタプするときはチタタプチタタプ…と言いながらチタタプするように。

ちなみにこの料理紹介ページは、エンドクレジットページの次に掲載されてます。ページの流れとしては、本編終了後のおまけ映像的な扱いなのはおもしろいですけど、パンフレットの最後のページなので見逃されそうなのがちょっと心配。

総評

派手さはないものの、文字量と写真(数と大きさ)のバランスが良いので、とても読みやすくて気持ちのいいデザインです。インタビューやコメントが充実しているし、制作・撮影の裏側も結構事細かに書かれているし、読んでいて楽しい内容となってます。

本作『ゴールデンカムイ』のことをより深く知ることができるし、そして何よりもっと好きになりますよ。完成度、満足度ともに高いパンフレットです。

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これが990円(税込)で購入できるとは!安い買い物!

原作漫画ファンの方、映画『ゴールデンカムイ』をもっと知りたい方、アイヌ文化に触れたい方にオススメできるパンフレットです。

そして何より本作『ゴールデンカムイ』を気に入ったそこのあなた、絶対に買ったほうがいい。

(おそらく高確率で続編が制作されると思うので、「ゴールデンカムイ第一弾パンフレット」ととして、アーカイブとして購入することを強くオススメしますよ。)

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映画大好き(おじさん)デザイナー。1男1女の4人家族の細大黒柱。オールタイムベスト映画はトレインスポッティング(1996)、ブレードランナー(1982)、ファーゴ(1996)。甘いラブストーリーはちょっと苦手。

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