『サンセット・サンライズ』パンフレットレビュー。菅田将暉主演のヒューマン移住コメディ。

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『ミステリと言う勿れ』『Cloud クラウド』の菅田将暉を主演に、『花より男子』『八日目の蝉』の井上真央をヒロインに迎え、『あゝ、荒野』『正欲』の岸善幸監督が脚本家・宮藤官九郎とタッグを組み、宮城県南三陸に移住したサラリーマンと住人たちの交流を描いたヒューマンコメディ『サンセット・サンライズ』のパンフレットを紹介します!

まずはパンフレット制作に尽力された方々へのリスペクトを込めて、パンフレットの基本情報をどうぞ。

パンフレット基本情報
  • サイズ:148mm × 210mm(A5縦型)
  • ページ数:52ページ
  • 発行承認:ワーナー ブラザース ジャパン合同会社
  • 編集・発行:松竹株式会社 事業推進部
  • 編集:阿部寛子(松竹)
  • 取材・文:那須千里
  • デザイン:松田政門(けだま)
  • 印刷:日商印刷株式会社
  • 発行日:2024年1月17日
  • 定価:1,000円(税込)
パンフレット掲載内容
  • Introduction
  • Message/佐藤順子(企画・プロデュース)
  • Story
  • キャラクター紹介
  • インタビュー/岸善幸監督 × 菅田将暉
  • インタビュー/井上真央
  • スペシャルトーク/三宅健 × 竹原ピストル × 山本浩司 × 好井まさお
  • キャストコメント/池脇千鶴、小日向文世、中村雅俊
  • キャストプロフィール
  • インタビュー/宮藤官九郎(脚本)
  • インタビュー/楡周平(原作)
  • スタッフプロフィール
  • 宇田濱の歩き方
  • 今なんて言った!? 東北弁ガイド
  • コラム/全国に広がる空き屋問題
  • 南三陸の郷土料理
レンツ
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では、『サンセット・サンライズ』のパンフレットを詳しく見ていきましょう!

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デザインレビュー

A5サイズ(52ページ)の小型パンフレット。個人的には小型パンフレットは好みなので、このサイズ感だけで好感度が高いです(笑)

お試し移住した晋作(菅田将暉)の日常を切り取ったかのような、南三陸の穏やかな風景をメインにした表紙。メイン写真の上に白の英字で「SUNSET SUNRISE」が配置されてます。シンプルで素朴な表紙デザインがとても素敵。

ちなみに裏表紙には「芋煮」のシーンで大活躍した(?)クマちゃんの可愛いイラストが。

そして中面。

カラー(4色)ページと1色ページが混在して展開されている中面のデザインは可愛らしくて超素敵!

ブルー&オレンジの配色(ブルーはサンライズ、オレンジはサンセットを表現しているんでしょうかね)、海をイメージさせる波を模したデザインがとてもポップ。

パンフレット序盤のキャラクター紹介のページが特に可愛らしく読みごたえがあります。めちゃくちゃいいページに仕上がっていて、一気に心を掴まれてしまいました。

登場人物の顔写真ではなく顔イラストが掲載されていたり(素朴なイラストなんだけど似ている!)、登場人物の紹介だけじゃなく裏設定まで書かれていたり、デザインも素敵なんだけど内容も実に素晴らしいんです。

ちなみに百華さん(井上真央)が初めて付き合ったのは中2のときらしいですよ…。

あと細かいところで言うと、文字はやや小さめですが、しっかりと行間やスペースが取られているので読みやすいです。文字や写真と余白のバランスがいいので、ストレスなく読み進められますよ。

コンテンツチェック

レンツ
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では、パンフレットに掲載されている内容をピックアップしてレビューしていきますね。

菅田将暉さんと岸善幸監督の対談、井上真央さんの単独インタビュー、 「モモちゃんの幸せを祈る会」の仲良し4人組(三宅健さん、竹原ピストルさん、山本浩司さん、好井まさおさん)のスペシャルトーク、宮藤官九郎さんの単独インタビューなどバラエティに富んだキャストインタビュー、そして先述したキャラクター紹介といった映画パンフレットならではの定番記事がしっかりと掲載されています(プロダクションノートは無いけど企画・プロデュースの佐藤順子さんのコメントがあるのでギリOK)。

そんな定番記事に加えて宇田濱MAP(主人公がお試し移住する架空の地域)や東北弁ガイド、郷土料理紹介といった遊び心のあるページも掲載。

さらに本編でも描かれている「空き家問題」に関するページが見開きで掲載されています。こういった社会問題の記事もしっかりと掲載されているのはポイント高いです。ちなみに令和5年度の全国の空き家数は900万戸ですって。神奈川県の人口は約922万人。かなりの数ですね…。

東北弁ガイドや郷土料理紹介、空き家問題など、本作ならではのオリジナリティのあるページがあると、一気にパンフレットのクオリティや存在価値が上がりますよね。

ちなみに本編で登場する郷土料理の紹介ページは、読むと腹が減ります(笑)。個人的には「メカジキのハモニカ焼き」が食べてみたいです。

インタビューに関しては、菅田将暉さんが語るタコとの格闘シーン(笑)や井上真央さんの菅田将暉評(少しいじっているように思えた 笑)、なんと初対面だった「祈る会」の仲良し4人組はどのようにして仲良くなったのかとか、などなど、おもしろ話が多く語られていて、現場の明るい雰囲気が伝わってくるインタビューとなってます。

もちろんおもしろ話だけではなく、真面目な(笑)撮影エピソードや裏話も多く語られていて、皆さんの根底には被災地東北への思いや感情を持っていることがわかります。

僕は震災当時も今も東京に住んでいるんですけど、被災した方々に対してどのような思いや感情を持つことが正しいのか、誠実なのか、難しい問題だと思っていたので、キャストや監督のインタビューを読んで少しホッとしたというか納得できるところがありました。みんな悩んでいるんですよね。

そんな中、宮城県出身の宮藤官九郎さんのインタビューはわかりみが深くて特によかったです。宮城県出身で東京在住の宮藤さんならではの複雑な思いや感情を知ることができます。

このインタビューを読むと、本作は宮藤官九郎さんの思いが色濃く出ていることがとてもよくわかります。セリフ回しは軽やかでキャッチーだけど(もちろんシビアなセリフもある)、いろいろと思い悩みながら脚本を書き上げたんだと思いました。

総評

バラエティに富んだインタビュー、読んで楽しい見て楽しいキャラクター紹介、東北弁ガイドや見ると腹が減る郷土料理紹介などの遊び心を感じるページ、ポップで可愛らしいデザインなど、『サンセット・サンライズ』の温かくてユーモアのある雰囲気が上手にパッケージされている素敵なパンフレットになってます。

レンツ
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ちなみにこのパンフレットは1,000円(税込)で購入できますよ。

本作『サンセット・サンライズ』を気に入った方には購入をオススメします。買って損はないですよ!

レンツ

映画大好き(おじさん)デザイナー。1男1女の4人家族の細大黒柱。オールタイムベスト映画はトレインスポッティング(1996)、ブレードランナー(1982)、ファーゴ(1996)。甘いラブストーリーはちょっと苦手。

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